ダイソン株式会社が提携している慈善団体ジェームズ ダイソン財団が主催する国際デザインアワード「ジャームズ ダイソン アワード2014」の表彰式に行ってきました。
↑授賞式にお邪魔しました
2006年から開催されており、今年で9年目。学生や若いデザイナーを対象としており、日本を含め18カ国で開催されているそうです。今年の応募数は603で、そのうち日本は25。日本の審査員はデザインエンジニアの田川欣哉氏、フリージャーナリストの林信行氏です。
↑世界中から応募が!
日本最優秀賞を受賞したのは、筑波大学の学生さんによる作品「Qolo」。足が不自由でも、起立、着席の動作を行うことができ、立った状態でも移動できるという支援機器でした。こちらは国際準優勝にも選ばれたそうです(日本人が2年連続準優勝!)。実際に動作しているところを見ると、機器はスリムで簡素に見えましたが、大人の男性をしっかり支え、スムーズに動くので驚きました。
↑江口 洋丞さん(筑波大学)、清谷 勇亮さん(筑波大学)
↑ちょっと変わったカタチの車椅子に見えます
↑座った状態からスッと立ち上がれます
↑もっと仰々しい機器かと思ってました。こんな支えでちゃんと立ち上がれるんですね
↑そのまま歩くこともできます
二位は、小型リハビリアシスト装置「Raplus」。既存のリハビリ装具に取り付けて使用し、歩行をを助けるそうです。この機器はとても小さくてオシャレでした。
↑従来の装具ににつけられます。真ん中のオレンジの機器がRaplus
三位は「COMPPASS」。コンパスといえば丸なのですが、なんと四角や星型も描けてしまう不思議なコンパスなのです。すごく楽しそう。早く製品化してほしいです! 色々描いてみたいなあ。
↑すごいー! 実際に描いているところを見るとビックリしますよ
いやあ、どれも素晴らしいものでした。若者がこんなに頑張っているなんて、日本も捨てたもんじゃないなあと、ちょっとうるっときてしまいました。
今回受賞された方々の作品は福祉系のモノが多かったのですが、ハンディキャップを持つ人だけでなく、今後私たちの生活を豊かにするヒントがあるように思います。これから超高齢化社会になるわけで、人ごとではありません。
国際最優秀賞を受賞したイギリス人のジェームズ ロバーツ氏の保育器「MOM」も素晴らしいですね! 何十万、何百万もする保育器が、性能はそのままでたったの5万円程度とのこと。特に発展途上国での導入が期待されているそうです。
↑これも素晴らしい! たくさんの命が救われるかもしれません
■若いエンジニアが注目される「賞」の意味
「今の学生は金融などに惹き付けられる。でも、エンジニアリングが私たちの生活を、未来を変えていくと信じている」という主催者の言葉にグッときました。アイデアを思いついても、注目される場がなければ、そのまま埋もれてしまうことも少なくありません。エンジニアが注目される、こういったエンジニアリングアワードは貴重な場。日本のメーカーにもやってほしいところですね。
↑応援しています!
こういった素晴らしいアイデアをもっていても、製品化は大変なんだそうです。特に日本はJIS規格などが厳しく、他国に比べてハードルが高いとのことですが、くじけずに頑張ってほしいです。資金調達も大変なんだとか。昨年、日本最優秀賞を受賞したhandiiiは、クラウドファンディング等も活用しています。今回受賞された製品も資金が集まるといいなあ。
ささやかなから応援しております!