阪神甲子園球場の照明をLED化 伝統ある「温かみのある色」を守り、新しい演出も
伝統の「カクテル光線」を受け継ぐLED照明
阪神甲子園球場(以下、甲子園球場)といえば、野球の聖地ですね。どこか昭和のなつかしさを感じさせるノスタルジックな空間が魅力の球場です。建設されたのは1924年。日本では最古で2024年8月には誕生100年を迎えます。世界でも3番目ということですから、驚きですね。
そんな甲子園球場のナイター用の照明が一新されました。これまでは白っぽい光のメタルハライドランプと、橙色の高圧ナトリウムランプが使われていました。これは甲子園球場独自の組み合わせで、少しオレンジがかったあたたかみのある「カクテル光線」として、同球場で愛されてきました。
パナソニックは、開発に約2年かけ、国内球場発となるLEDでのカクテル光線の再現しました。白とオレンジ色を組み合わせたあたたかみのある空間を実現。さらにCO2排出量は従来比で約6割減とのことです。
実際にグラウンドに出て見ることができました。
最終チェックは選手が行い、角度や調光を微調整をしたそうです。選手のみなさんも「守りやすくなった」と好評とのことでした。
ドット絵のように文字や絵を表示して演出
LED照明なので、瞬時の点灯・消灯が可能です。そのため、単にグラウンドを照らすだけでなく、さまざまな演出もできるようになりました。
ドット絵のようにしま模様、虎模様、ホームラン演出ができます。音楽と合わせて、球場全体が華やかになっていました。
勝利後の六甲おろし演出などを見ましたが、とてもきらびやか。照明そのものを点灯、消灯、点滅させるので、グラウンド全体がピカピカしていてEDM系のライブ会場のようでした。これは阪神ファンはたまらないと思います。
また、4K8K放送企画にも対応し、2色混合時に自然光に近付くように器具単体の演色性が調整されています。
ナイターを観に行かれる方は、ぜひ照明にも注目してくださいね。やさしい灯りと、派手な演出に驚きますよ。