女性特有の「不調」に最新デバイスで寄り添う。パナソニックの新サービス『RizMo(リズモ)』レポート

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女性特有の月経リズムと連動した温度変化や睡眠状態を把握できる新サービス

パナソニックは、これまでヘアケアやスキンケアといった外側からのアプローチを中心に事業を展開してきましたが、今回初めて“インナーケア”という体の内側からのサポートを本格的に取り入れたサービスを開発しました。

この『RizMo』は、女性の体調に関わる睡眠と体温の変化を測定する専用デバイスとアプリを組み合わせ、日々の体調を「見える化」することで、無理のないセルフケアを促すことを目的としています。

「政府のフェムテック推進政策や、経済産業省が発表した『女性の健康課題による経済損失は年間3.4兆円』というデータなども背景にあり、女性の健康管理への社会的関心が高まっていることが、このサービスの開発の後押しとなりました」とビューティ・パーソナルケア事業部の北岡慶子さん。

ビューティ・パーソナルケア事業部の北岡慶子さん

寝る前にデバイスを装着
アプリで分析結果が見られる

ホルモンが左右する、女性の「眠り」と「体温」の不思議な関係

産婦人科医であり、一般社団法人 SRHR Japan代表理事の池田裕美枝さんから、女性のライフステージに応じて変化するホルモンバランスと、それが体温や睡眠に与える影響について解説が行われました。

「月経周期では排卵後にプロゲステロンの分泌が増加し、基礎体温が上昇します。この体温の変化が睡眠の質に影響を与え、入眠しづらくなったり、夜中に目が覚めやすくなったりすることがあるそうです。また、更年期にはエストロゲンの減少によって睡眠障害や気分の変動が現れやすくなり、多くの女性にとって見逃せない課題でです」

これらの症状は個人差が大きく、一律の対策では不十分であるため、より個別に対応する必要があるそうです。

『RizMo』が実現する“見える化”

うぇらぶるデバイス「リズムモニター」と呼ばれるクリップ式の小型デバイスをショーツに装着することで、就寝中の体温や動きなどのバイタルデータを自動で計測します。中には加速度センサーと体温計が搭載されています。翌朝、スマートフォンのアプリと連携させることで、その日の体調スコアが表示され、状態に応じたアドバイスが受けられる仕組みになっています。

ショーツに装着
中が見えるモデル。裏側に小さなセンサーが見えます

このスコアは視覚的に分かりやすく、気分や食欲、睡眠の傾向をグラフや言葉で表示するため、ユーザーは自分の体調を客観的に理解しやすくなります。また、未来1ヶ月先の体調傾向や、月経周期全体の振り返り機能なども備えており、予防的なケアにも役立つ設計です。

継続しやすい“仕掛け”とユーザー体験

サービスを継続的に使ってもらうための工夫として、ユーモアを交えたメッセージ機能が搭載されている点も特徴です。同じ内容が繰り返されないよう設計されており、毎日の利用にちょっとした楽しさを添えてくれる工夫もしてあるそうです。

今日の体調
おすすめの対処法
一覧で見られる体調スコア
生理周期なども一目でわかる

また、症状入力に応じてリアルタイムのアドバイスが提供される機能もあり、日々のセルフケアが自然と習慣化されるように設計されています。

先行スタートは7月7日。無料トライアルも

『RizMo』の正式なサービス開始は2025年10月10日を予定しており、先行利用は2025年7月7日からスタートします。先行申込者には、7月から9月末までの約3ヶ月間、月額利用料が無料となる特典が用意されています。

また、パナソニックビューティー表参道では実際のデモ体験が可能で、オンラインでは「パナソニックストアプラス」で予約開始。初期契約時に5500円、毎月500円というサブスクリプションサービスで展開されるようです。

料金体系

パーソナル体調レポートはどこまで活用できるのかは未知の世界

これまで目に見えづらかった女性の体調変化を、テクノロジーによって“見える化”することで、より自分らしく過ごせる日常を支える。それが『RizMo』の目指すインナーケアの形です。ホルモンや睡眠といったデリケートな変化を、無理なく、そして客観的に理解し、個人に合ったケアにつなげられると言います。

ただ、装着感などは試してみないとわかりません。個人的には毎朝ボタンを押してデータを転送するのがちょっと面倒そうかも、と思いました(近頃のスマートウォッチやスマートリングは毎朝自動で同期しますよね)。またパーソナライズデータを活用して自分の体を知ることで、どこまで不調と向き合っていけるのか……気になるところです。今後の展開を期待しています。