いろいろ話題のアイロボット、まずはルンバのラインナップを刷新
ロボット掃除機「ルンバ」でおなじみのアイロボットが、日本市場での新たな展開について語る発表会を行いました。今回の発表会では、2024年の実績や、今後の戦略、新製品の情報まで幅広い内容が紹介されました。

2024年には、国内で600万台ものルンバが出荷され、世界シェアも10%を超える成果をあげました。価格制度の見直しや、家電量販店のヤマダ電機との提携、ふるさと納税の返礼品としての展開など、これまでにないユニークな取り組みを行っています。
また、昨年5月にはゲーリー・コーエンさんが新たにCEOに就任。「スピード」と「革新性」をキーワードに、アジアのパートナー企業との連携を深めながら、より早く、よりユーザーに寄り添った製品開発を進めているそうです。

経営面でも改革が進められています。財務体制の見直しとして、債務の借り換えや資産売却といった選択肢を検討しており、主要な金融機関とも協議が進んでいるとのことです。
新たに6機種・9モデルのルンバが登場
2025年には、新たに6機種・9モデルのルンバが登場する予定です。これらの製品は3つのカテゴリーに分かれており、従来よりも利益率が高い設計になっていることがポイントです。また、グローバルで展開する新たなブランドメッセージ「Roomba,made for this」も発表され、よりシンプルで分かりやすいラインアップになっていくようです。同社は2030年までに、掃除機市場(すべてのクリーナー)でのブランドシェア20%を目指す、としています。

「日本市場はアメリカに次ぐ大切な市場で、製品への愛着やロイヤリティがとても高いことでも知られています。実際に、ルンバを家族の一員として扱う方も多くいらっしゃるそうです。そうした日本のユーザーの声を、今後の製品づくりに活かしていく方針です」とゲーリー・コーエンさんは語りました。
中国メーカーとの競争が激化、革新的な企業に戻れるのか
最後には質疑応答も行われ、中国メーカーとの競争や、今後の利益率向上についても話題に上がりました。ブランド力や流通の強さ、製造体制の見直しなど、さまざまな工夫でさらなる成長を目指す、とのことでした。
さらに今後、製品やサービスのみならず、カスタマーケアやサステナブルな社会実現に向けた活動も強化していく方針とのこと。市場環境の変化に対応しながら、再び革新的な企業としての地位を築けるのか、注目が集まっています。